著者: Jeremy Daniel
Contributing writer

Fletcher BuildingのCIOによるデジタル トランスフォーメーションの青写真

特集
Sep 17, 20231分
建設・エンジニアリング業界デジタルトランスフォーメーションIT戦略

大手多国籍企業のCIOであるJoe Locandro氏は、会社の統一プラットフォームおよびダイナミックなデジタル イノベーションの出発点として、大胆な変革アジェンダを実施しています。

Joe Locandro, CIO, Fletcher Building
クレジットFletcher Building

「バックミラーだけを見ながら車を運転することはできません」とオーストラレーシア最大規模の建築資材供給業者、Fletcher BuildingのCIOを務めるJoe Locandro氏は言います。「CIOは、常に先を見据えながらも、自分自身のこれまでの行動を安心感を持って受け入れられる必要があります。それがCIOとITマネージャーの違いです。ひとつは物ごとを成し遂げることに責任を負い、もうひとつはビジョンを持って変化をもたらすことに責任を負います。」

Fletcher Buildingは、製造、骨材採掘、道路建設など、30以上の会社からなる80億ニュージーランドドルの組織です。同社がデジタル トランスフォーメーションを行い、データドリブンなプラットフォームベースのビジネスを実現できるようになったとき、Locandro氏の先進的な哲学は同社の成功に不可欠でした。

適切なプラットフォームの構築

Locandro氏がCIOに就任した年、同氏はこのような複雑な事業を取り巻くIT体制を簡素化し、合理化するために迅速に対策を講じました。「前世紀を振り返ってみると、企業は点から点へと作られていました」と同氏は言います。「M&Aにより、スパゲッティツリーのような架空のものが作られることになり、これにはコストもかかります。大半の企業はSAPを導入し、国ごとにバージョンを決めてからカスタマイズします。当社は17のインスタンスから1つのグローバル インスタンスに移行しているところです。さらに、エッジシステムを750から350に移行させることに全力を注いでいます。」

Fletcher Buildingが先見性を持って採用した最先端のERPプラットフォームは、同社のデジタル インフラストラクチャに革命をもたらし、グループ全体のイノベーション実現の出発点となっています。Digital@Fletchersプログラムは、これら17の独自のERPインスタンスと約350のインターフェイスを持つサテライト システムを、単一の統合ERPコアに統合します。この調和されたアプローチは80%の共通性と20%のローカル構成からなり、コストを大幅に削減しながらアップグレードを簡素化します。

また、この統合ERPがもたらす改革の力は、Fletcher Group内の事業が強固な基盤の上に構築され、相乗効果を発揮し、イノベーションを促進することを可能にします。新しいERP環境はプロセスを合理化し、サテライト システムのほぼ半分を廃止することで、Fletcherの各社が新しいERPコア システムを使って斬新なソリューションを開発し、成長を加速させることができるようになります。

「プラットフォームベースの事業ならば、グループ全体がカスタマイズされたeコマース プラットフォーム、データおよび分析プラットフォーム、安全性プラットフォームを活用できるように、プラグ&プレイで相乗効果を得ることができます」と同氏は説明します。「そのため、当社はプラットフォームベースのビジネスに移行しており、新たなM&Aを行う際には、それらをこのシステムに接続します。当社はフェデレーション モデルを実行しており、グループのIT部門として、何が中核で何が標準かを決定し、そのうえで各社が自由にイノベーションを起こせるようにしています。(そうすることで、)規模の相乗効果と、イノベーションの柔軟性やアジリティを享受できます。」

変化をもたらす

Fletcher Buildingは基本的に垂直統合型の建築会社であり、特有の技術的課題を抱えています。なかでも、CIOを目指す者にとっての最大の問題はビジネスとの一体感の欠如であり、ビジネス成果を達成するための戦略を調整できない技術者を抱えていることだと、Locandro氏は考えています。技術が成熟するまでに不明確な部分に対処し、そこに到達するための道筋を描く能力がなければならない、と同氏は言います。そしてこの規模の組織では、課題や脅威が毎日のように出現します。

しかし大まかに言えば、同社は次の3つの柱のもとに前進しています。1つ目は、サービス提供コストを削減し、デジタル化を進め、非効率なプロセスを自動化するために業務効率を高めることです。2つ目は、顧客との親密度を高めることであり、そのためにFletcherはCRMシステムやその他の顧客向けアプリケーションを開発しています。「アナリティクスや検索エンジンを使ってペルソナやプロフィールを作り、親密度を高めたいのです」と同氏は説明します。「新しいERPシステムにより、当社と取引する顧客を、それぞれの異なるサイロではなく、エンドツーエンドで確認できるようになります。当社は、ネット プロモーター スコアを上げるために、デジタル アプリを他と一緒に使うことに重点を置いています。」

3つ目は、簡単に言うと、画期的なイノベーションを軸としています。その規模と範囲は、資材の備蓄や路面の完全性調査のドローンの利用から、CO2排出量を削減するためのコンクリートやセメントの配合調査のAIの利用、さらには予防可能な負傷予測安全システムへの応用まで、技術革新がいかに事業の運営方法にパラダイム シフトをもたらすかを示しています。また、運用効率の高いコールセンターや、ERPシステムにフィードバックするインテリジェントな意思決定を開発する最先端のGoogleハブや分析情報にもイノベーションがあります。「工場でも、IoTセンサーを使って機械が故障する前の状態チェックや、予知保全を行ったりしています」と同氏は言います。「5G技術を使えば、リアルタイム配信が可能です。」

Locandro氏は、このような非常に意欲的な目標を実現するために、自分のグローバルな経験を生かすことができると確信しています。「私はどこで働こうとも、すべては変革に関することであり、後世にレガシーを残すことであり、新たな進化に向けたきつい仕事をこなす覚悟を持つことなのです」と同氏は言います。「工業・製造業はデジタル化に遅れているという評判がありますが、私たちはそれを覆そうとしているのです。」

著者: Jeremy Daniel
Contributing writer